Think Bigger. Bond Faster. Build Better.

生産の加速

溶接などの従来の工法は、多くの場合、生産に要する時間が長く、多大な労力を必要とします。複数の金属部材を溶接とボルトで接合する伝統的なホワイトボデー設計を採用する独立系バスメーカーにおいて、これは三交代制で複数の作業者を配置する24時間体制の生産プロセスに相当します。

このバスメーカーでは、6人のライン作業者で個々に組み立てて取り付ける屋根部材の代わりに、構造的に一体化した新たな複合サンドイッチ屋根の可能性を模索しました。その中で、標準的な接着剤も検討されましたが、オープンタイムが短く、6人の作業者が同時に接着剤を塗布しなければならないこと、また硬化時間が長く、12時間にも及ぶ待機時間から、実現不可能と判断されていました。

これらの課題を解決したのが、Sika独自のPowerflexとCuring-by-Design技術です。この技術を採用した製品を使用することで、作業者はカートリッジまたはポンプシステムを用いて、1人あるいは2人で接着剤の塗布が可能となります。また、硬化時間は短縮され、屋根部材の取り付け後2時間以内に次の組み立て作業に移ることが可能となり、90 ％もの時間短縮につながります。

硬化時間のカスタマイズ

最適な接着特性を確保するだけでなく、Sikaの革新的なCuring-by-Design技術は、接着剤の硬化プロセスに新たな次元の柔軟性と制御性を実現します。硬化反応を遅らせる触媒を導入することで、接着剤の作業時間を硬化速度から切り離し、お客様の生産工程のニーズに応じて硬化反応を正確に調整できます。この革新的な技術により、加温などを必要とせずに接着剤が迅速に硬化し、組立時の非生産的な養生時間が最小限に抑えられ、生産プロセスの短縮へとつながります。

より軽く、より強く、より効率的に

PowerCureと Curing by Design技術の組み合わせに、サードパーティの技術パートナーである3A Composites Mobility AG 社(XBODY ® )との協力が加わり、 バスメーカーとして名の知られた企業とSikaは安全で軽量、かつ組み立てが簡単な新世代のバスの屋根接着システムの開発に成功しました。これまでの構造と比較して、最新モデルでは、あらゆる荷重ケースで剛性が向上し、応力分布が改善され、重量においては約500 kgの軽量を実現し、材料効率と労働生産性が大幅に改善しました。

共に未来をエンジニアリングする

新しい設計や組み立てプロセスは一夜にして生まれるものではありません。そのため、 Sikaは材料や技術の範囲を超えて、お客様の生産コンセプトをサポートすることに専念しています。設計、プロセス、車両、接着剤、システムエンジニアリングの経験豊富な専門家を擁し、 試作品の生産から認証の取得まで、あらゆるお客様のビジネス戦略をサポートします。究極的には、接着剤エンジニアからグローバルおよび各地域の営業担当者に至るまで、すべてのSika従業員はお客様の戦略的イノベーションを追求することに専念しているといえるのです。