2014
東京都、港区
プロジェクト要求事項
2011年に発生した東日本大震災から間もなくの着工ということもあり、人員不足が懸念された時期でのプロジェクトスタートであったことに加え、プロジェクト全体の工期は約3年と同規模の施工期間としては短く、限られた人員で臨む工期短縮施工が求められる案件でありました。その為、多彩な最先端技術や工夫が施され、その一つが、逆打ち(さかうち)工法でした。この工法により地上躯体を建設していくと同時に、地下を掘り進めいていく事が可能であり、大幅な工期短縮が実現されました。又、この特殊な建物の構造上、建物を支える柱1本にかかる荷重が、一般的な超高層ビルで2~3倍程度であった為、東京スカイツリーで採用された「ナックルウォール」という特殊な杭が使用され、荷重に対する抵抗力を大幅に増大させることができました。
Sikaのソリューション
当該物件は地上207mの47階まで鉄骨柱の中にコンクリートを圧入しなければならないCFT造(コンクリート充填鋼管造)の作製が鬼門のひとつでもありました。100m程度の高さまでの圧入は珍しいことではないのですが、セメント量が多く、粘性の高い高強度コンクリートを200m超の高さまで圧送することはSikaにとっても未知の挑戦でした。そこで、CFT圧送高さ約200mを水平換算した約640mの圧送試験管にて試験圧送を実施した際、Sika製品のSikament®1100NT・Sikament®1100NTRの採用により、セメント量が多い領域での低粘性の高強度コンクリートが実現され、実際のCFT造作製時も無事に打設する事が出来ました。このプロジェクトにより、Sikaもまたひとつ貴重な経験ができた、歴史に名を残す案件となりました。