2014
東京都、港区

地上52階建て、高さ247mの超高層複合タワー「虎ノ門ヒルズ 森タワー」は、立体道路制度を活用して環状2号線と一体的に建築した、官民連携による象徴的なプロジェクトで、東京都が外国企業誘致を推進する「アジアヘッドクォーター特区」に位置します。また、環状2号線上部の広場や館内空間を活用した周辺も含めたイベントなども多数開催し、東京を代表する新たなランドマークとして、エリアに新たな魅力・賑わいを創出しています。

プロジェクト要求事項

2011年に発生した東日本大震災から間もなくの着工ということもあり、人員不足が懸念された時期でのプロジェクトスタートであったことに加え、プロジェクト全体の工期は約3年と同規模の施工期間としては短く、限られた人員で臨む工期短縮施工が求められる案件でありました。その為、多彩な最先端技術や工夫が施され、その一つが、逆打ち(さかうち)工法でした。この工法により地上躯体を建設していくと同時に、地下を掘り進めいていく事が可能であり、大幅な工期短縮が実現されました。又、この特殊な建物の構造上、建物を支える柱1本にかかる荷重が、一般的な超高層ビルで2~3倍程度であった為、東京スカイツリーで採用された「ナックルウォール」という特殊な杭が使用され、荷重に対する抵抗力を大幅に増大させることができました。

Sikaのソリューション

当該物件は地上207mの47階まで鉄骨柱の中にコンクリートを圧入しなければならないCFT造(コンクリート充填鋼管造)の作製が鬼門のひとつでもありました。100m程度の高さまでの圧入は珍しいことではないのですが、セメント量が多く、粘性の高い高強度コンクリートを200m超の高さまで圧送することはSikaにとっても未知の挑戦でした。そこで、CFT圧送高さ約200mを水平換算した約640mの圧送試験管にて試験圧送を実施した際、Sika製品のSikament®1100NT・Sikament®1100NTRの採用により、セメント量が多い領域での低粘性の高強度コンクリートが実現され、実際のCFT造作製時も無事に打設する事が出来ました。このプロジェクトにより、Sikaもまたひとつ貴重な経験ができた、歴史に名を残す案件となりました。

採用製品

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