エルブフィルハーモニーコンサートホール

最初のステップは、既存の倉庫を歴史的なランドマークのレンガのファサードに戻すことでした。エルブフィルハーモニーの総重量約20万トンを運ぶために、倉庫の基礎は、1,000個以上の既存の杭にさらに650本の鉄筋コンクリート杭を追加することによって強化する必要がありました。現在、倉庫の各階には、駐車場エリアや複数のレストラン、さらにコンサートホールのリハーサルや収納スペースがあります。復元された倉庫と新築部分との境界を形成しているのが、見事な360度パノラマが展開する約3,100m²の広場です。このパブリックビューイングデッキには、東玄関門からビル全体を通過し西正面口まで到達する全長82m、高さ37mの桁外れなエスカレーターを利用して訪問することができます。白く照明されたアーチ状トンネルを通り抜ける旅は、文字通り素晴らしい体験です。

コンクリートテクノロジー

Sika® Watertight Concrete Systemは、地下とテラスの両方に指定されました。  テラスにおいては、Sika®Watertight Concreteが採用されています。バードン・コンクリートは1,000m³のSika®Watertight Concreteを本プロジェクトに供給しました。その品質が約束されたSika® Watertight Concrete Systemは、コンクリート構造物の防水に包括的な解決策を提供します。最先端のSikaの混和剤は、水の浸透を防ぐためにコンクリートに添加されています。

広大なプラザのロビーは、ほとんどが大きな天井アーチとコンクリート傾斜柱で構成されています。  コンクリートの強度と耐久性を最適化するために、Sikaは超微細ポゾランコンクリート用添加剤Sika®Silicoll SLを総計40トン供給しました。階段吹き抜けとエレベータ昇降路に使用された打放しコンクリートには、最も厳しい要求性能（4級）が求められました。幅広く使用されている高性能減水剤Sika®Viscocrete®は、多岐に渡る複雑なコンクリート施工に指定されました。

腐食防止

プラザ沖に面した曲面彫刻的な階段は、世界的にも最も優れた音響効果を備えたコンサート会場のひとつであるエルブフィルハーモニーの中心部へ我々をいざないます。長期間の耐摩耗と耐衝撃性のために、スチール階段の手すりにはSikaCor®-Systemを使用した堅牢な防食仕上げが施されています。エポキシ樹脂/雲母状酸化鉄とポリウレタントップコートに基づく刺激層と中間層の2剤の組み合わせにより、高い白亜化抵抗性と保色性を確保しています。また、手すりに最初に塗布されたコーティングが短時間で腐食したため、Sikaは最適な解決策も定められた期限内に提供しました。

シーリング材、及び接着剤

高さ70mを超えるエルブフィルハーモニーのガラス板の集合体は、巨大で光り輝く青色の結晶を彷彿させます。1,100の窓ユニットを備えたガラスファサードは、総面積が約20,500m²です。ガラスに使用された接着剤およびシーリング材は、日照、雨、暴風および強風が繰り返されるハンブルグの過酷な環境に曝されます。そこで、プロジェクト担当チームは、二液型構造用シリコーン接着剤と二液型シリコーンシーリング材Sikasil®IG-25HM Plusを個々のガラスユニットの製造に使用することを選択しました。ガラスファサードの接着剤・シーリング材に加え、Sikaは休憩室や階段吹抜けの床ジョイントのシーリング材ソリューションも供給しました。

屋上防水システム

エルブフィルハーモニーの柱のない大ホールは、鋼製ノードを備えた構造的に複雑な鉄骨の形をしています。6,200m²の屋根領域は、約1,000の個別に曲げられた鋼鉄の梁の上に置かれた8つの凹面で構成されています。一部の屋根の角度が急峻なであるため、設計チームは、柔軟なポリオレフィンをベースにした厚さ2 mmの多層ポリマー膜Sarnafil®TS 77-20 Eを採用しました。台形鋼鉄断面の固定用に開発されたSarnafast®-Systemを使用して、個々の膜シートの重なり部分に機械的にスポット固定しました。セルフドリル型の硬化炭素鋼留め金具Sarnafast® SF 4.8と組み合わせて、特別な洗浄機が使用されました。屋根接合部は、Sarnafil®T亜鉛めっき鋼雨押えで形成しました。これらのユニット上面には、Sarnafil® TG66-18FPOの膜がラミネート処理されているため、Sarnafil® 77-20Eの屋上膜と均一に溶着することが可能です。