2025
Aftermarket
自動車ガラス施工業界では、更に高い安全性、品質、持続可能性などが求められています。Sikaは良きパートナーとして業界をリードしていきます。
近年、自動車ガラス施工業者や車体修理工場はADAS対応の自動車ガラス、迅速な対応を求める顧客、環境規制や安全規制の厳格化など、さまざまな課題に直面しています。Sikaは自動車メーカーと自動車補修市場の両方に向けた自動車ガラス用接着剤を製造するトップメーカーとして、さまざまな問題や市場に対応できる適切なソリューションを提供しています。しかし、このようなソリューションは接着剤単体では完結しない場合もあるため、戦略的パートナーシップに依存するケースが増えてきています。
急速に変化する市場での競争力
自動車ガラスの入れ替え作業が比較的簡単な作業だったのは遠い昔の話です。最近では、カメラやセンサーの再設置に加え、その位置調整や適切な動作の確認といったエーミング作業が必要になります。依頼主に即納車を依頼されても、走行可能時間、安全性、耐久性、効率性、サステナビリティの基準を守らなければなりません。不適切な製品を使用したり、作業者のスキルが不足したりしていると、安全性が損なわれたり、認証を取り消されたりすることになりかねません。これは自動車ガラスだけでなく、ヘッドライト、サンルーフ、スポイラーや、重要なクラッシュポイントパネルを補修する場合も同じです。
市場の統合による機会創出
Research and Marketsの報告書によれば、2023年における世界の自動車ガラス補修市場の価値は351億9,000万ドルと評価されており*、年9.4%という着実な成長を経て、2027年には503億3,000万ドルに達すると予想されています。もちろん市場全体から見れば接着剤が占める割合はわずかですが、Sikaは、この市場成長は好機と理解しています。大手の自動車ガラス補修チェーンのテレビCMや広告が毎日のように流れているのは不思議なことではありません。接着剤を使用するアフターマーケットでは、いくつかの企業合併を経ても多くの競合企業がひしめいており、戦略的協力関係が一般化している自動車OEM事業に比べると細分化が激しく、協力関係も短期的です。
安全性とコンプライアンスの維持
多くの補修工場は、新たな規制やテクノロジーが日々増え続けるなかで競争力を維持していくには応急処置的なアプローチでは限界があることを実感しています。ヨーロッパでは、2023年8月24日から新しい規制が施行されています。この新規制「REACH」では、化学物質、特にポリウレタン系のウインドスクリーン用接着剤、シーリング材、下地処理剤(イソシアネートモノマーの含有率が0.1%を超える製品)への作業者の暴露を最小限に抑えることを目的としています。この規制に違反した場合は厳しい罰則が科せられるため、多数のAGR企業がコンプライアンス達成に向けた緊急の取り組みを行っています。
信頼の構築
Sikaはこのような状況で強みを発揮致します。お客様と強固なパートナーシップを結んで、安全性、耐久性、効率性に優れた、フロントガラス補修に最適なソリューションを開発します。スイスを拠点として100か国を超える国々に展開し、100年以上にわたりスペシャルケミカルビジネスを行ってきたSikaはこのような取り組みに最適な企業と言えるでしょう。結果的にSikaの接着剤は全世界で年間数億件もの自動車ガラス補修に使用されています。
地域および世界規模の新たな提携
Sikaは地域のお客様や世界中のお客様と日々協力しています。最近、ヨーロッパを初めとする国際パートナーシップでは、ノウハウの共有に力を入れています。これには、24か国以上の2,000を超える工場が連携するネットワークであるAutomotive Glass Experts(AGE)や、Saint Gobain社が運営するGlassdriveも含まれます。Glassdriveはヨーロッパで急成長中の自動車ガラス補修工場チェーンであり、ヨーロッパの11か国に約1,300の組み付け工場を展開しています。後者のケースでは、新しい規制を遵守するための革新的ソリューションを探していた地域の工場から、Sikaの新製品について問い合わせがありました。「新しい法規制への対応として始まった取り組みが、複数の市場にわたる包括的なグローバルトレーニングプログラムへと発展しています。このプログラムでは、米国市場でのAGRSS規制に関するノウハウも共有されました」Sikaのインストラクターは、このように語っています。「この規模のプロジェクトを進められるのはSikaだけです。地域内の数百もの工場が規制を遵守し、Sikaが各工場を現地でサポートすることによって、地域レベルでは相当なコスト削減効果が得られます」
SikaTack® Purformがもたらすブレイクスルー
ヨーロッパにおいて、Sikaはこの数年の間、REACH規制の遵守を目標にして研究開発を続けてきました。すでにSikaのクラス最高の自動車ガラス用接着剤およびプライマーを、作業者がトレーニングを受けなくても安全に扱える新バージョンであるPurform®へとアップグレードしました。これは、作業者が煩雑な再トレーニングを受けなくても新しいREACH規制に対応できる、新たな選択肢の1つです。
米国向けソリューション
大西洋の向こう側、REACHの影響を受けない米国では、自動車ガラス補修市場が別の課題に直面しています。たとえば、先進運転支援(ADAS)、LIDAR、レーダー、車内ネットワーキングといったテクノロジーの登場により、市場に大きな変化が生じています。自動車ガラス補修工場では、複雑化するテクノロジーに対応するために、耐久性と信頼性に優れたプライマーレスのシステムがますます求められるようになっています。こうした状況を踏まえ、Sikaは今後もイノベーション、シンプルさ、安全性を重視し、サステナビリティへの対応を一層強化していきます。
北米での協力体制
ヨーロッパと同様、北米の自動車ガラス補修チェーンも競争力を高めるために、新たな形の協力体制を築きつつあります。業界大手の合併が進んだことでこのトレンドがさらに促進され、戦略的パートナーシップを通じてイノベーションや専門技術を獲得しようとするニーズが高まっています。その最たる例が、米国42州に展開する自動車ガラスサービスの主要提供企業、Driven Brandsです。Driven Brandsは、Auto Glass Fittersなどの競合他社を買収することで1年間で自社拠点を4倍に増やし、Sikaとの戦略的パートナーシップを締結しました。同様に、カナダの大型チェーンVitrXpertは、自社のTotal Securityというコンセプトの実現に向けてSikaと提携しています。
高速、高効率、安全
下地処理不要の製品や時間短縮に役立つイノベーションであっても、安全性は常に最優先事項です。AGRSS規制に準拠しつつも、米国運輸省の定めるFMVSS 212基準を達成できるように、すべての製品で厳密な衝突試験が実施されます。
待ち時間短縮、高速較正、全温度対応
最近の自動車業界では消費者が短期間での納車を重視することから、SikaはAGRチェーン各社の協力を得て、時間短縮に役立つ革新的な接着剤ソリューションを多数開発しています。たとえば、SikaTack® MACH-30 XVは、走行可能時間が30分のオールインワンモジュラス接着剤です。 同様に、SikaTack® ULTIMATEは極めて優れた接着性を備えながらも、ガラスやフリットの下地処理が不要です。このような先進的接着システムは標準品を上回る性能を備え、車をさらに短期間で顧客に納車出来る様になります。
プロセス手順の省略
米国のAGRチェーンの間での明らかな関心事は、高コストのプロセスを減らすことができる下地処理不要の接着剤へ向けられています。このようなテクノロジーでは効率的かつサステナビリティの高い手法が用いられているため、トレーニングも含めて複数の拠点に展開できます。北米の一部のお客様によれば、Sikaとのパートナーシップにより提供された下地処理不要の接着剤を導入することで、作業数が劇的に増加され、再施工等の訪問によって発生するコストが削減されたとのことです。
パートナーシップを通じた品質、安全性、サステナビリティの向上
Sikaは戦略的パートナーシップを通じ、自動車ガラス補修工場の品質、安全性、サステナビリティを高める取り組みを進めています。全世界でのAGEとの提携、ヨーロッパ諸国でのGlassdriveとの協力体制、DrivenやVitrXpertのような北米の主要企業との協力といった事例のいずれにも、協力関係を強化し、この分野での40年にわたる経験を共有しようというSikaの熱意が表れています。
お客様の事業を発展させるために、お手伝いできることはありますか?
製品の主なメリット - Sikaflex® P2G/SikaTack® (PRO、ELITE、DRIVE、ULTIMATE、MACH-30 XV)/PowerCure + Purform®テクノロジー:
- トップメーカー4社が新規設計の耐久性を高める製品としてSika製品を信頼
- 再施工コストの低減
- 施工数の増加
- 作業者への暴露が少ないSikaTack® Purform®(REACH対応トレーニング不要)
- あらゆる気候条件に対応できるよう設計されたソリューション
- 関連するすべての国別規制や国際規制で求められる衝突試験をクリア(例:FMVSS 212/AGRSS)
- 下地処理不要の接着剤によって手順を省略(一部製品)
- プライマーレスのガラス接着(一部製品)
- 車両と商用車の営業休止時間を短縮(一部製品)
- トータルコストを低減(一部製品)
ガラス補修市場におけるSikaとの提携の価値:
- 世界および地域内のパートナー:100か国の市場でのプレゼンスと世界規模のリソース
- 自動車OEMの豊富なノウハウ:40年以上にわたりほぼすべての自動車メーカーに製品を提供
- コンサルティングサービス:製品の選定、サポート、助言
- トレーニングコース:Sikaオンラインナレッジセンター、AGR Academy、国別/地域別コース
- 研究開発センター:Sika研究開発センターのエキスパートが対応
- 強力かつ信頼できるパートナー:盤石な経営基盤、3万3,000人の従業員、112億4,000万スイスフランの売上
- 革新をもたらしてきた歴史:接着、シーリング、制振などの分野での100年以上にわたるリーダーシップ
Sikaの実績、Sikaと自動車ガラス補修市場の概略
- 年間何億枚ものウインドスクリーンがSikaの接着剤を使用して補修されている
- 全世界で生産される車両の50%以上にSikaのテクノロジーが使用されており、100か国を超える国々にSikaの現地拠点が存在
- 2008年以降、米国で6,000万枚以上のウインドスクリーンが補修されている
- 7,000万枚を超える自動車ガラスが組立工程でSikaの接着剤を使用して接着されている