(米国)連邦自動車安全基準(FMVSS)の212/208基準は、衝突の際のフロントガラスの保持率を試験する唯一の該当基準です。この基準の目的は、搭乗者が車輌から車外へ飛び出すのを防止することで、衝突による怪我や死亡を減少させることです。FMVSS 212/208基準は乗用車や軽トラック、バスに適用されています。

FMVSS 212/208に基づく正面衝突試験は、30 mph(48 km/h)で実施され、車輌が固定されたコンクリート壁に衝突する状況から結論付けます。助手席側にエアバッグを装備した車の場合、最低限、縦方向の中心線の両側でフロントガラス周辺の縁部分の50%を保持していなければなりません。助手席側にエアバッグを装備していない場合には、75%を保持していなければなりません。

この基準は全ての側面において明解という訳ではなく、解釈の余地が残っています。特定の気象条件や車輌を選ぶことで、接着されたフロントガラスの負荷パラメーターを減少し、衝突試験を容易に合格することもできます。Sikaは、最悪のケースを想定して接着剤を試験することで、あらゆる状況に適用する推奨値を提示し、ガラス施工店のリスクを軽減できるようにしています。米国大統領候補者だった世界的に著名な安全性擁護者(社会運動家)のラルフ・ネーダー氏は、AGRSS(自動車ガラス交換安全基準)委員会の第1回会議の基調講演者として次のように述べています。「基準というものは常に最も厳格な解釈に照らして解釈さるべきである。」更に付け加えると、ネーダー氏は雑誌『タイムズ』で「20世紀の最も影響力あるアメリカ人」に挙げられており、著書に『どんなスピードでも自動車は危険だ』があります。

基準の最低値に合せて試験することで、非常に短い「安全走行可能時間」の推奨値を導き出すことも可能です。一部の接着剤製造業者の中には、安全走行可能時間を30分といった短いものだと主張するところもあります。しかし、試験方法を綿密に調べると、衝突試験はベルト着用の人形を使い、都合の良い気象条件下で行われたものです。このような車輌が現実の条件下で安全に走行できるでしょうか。