2024
Automotive

Sikaと始める車体組立工程の効率化-低温焼付

Sikaの新しい低温焼付接着の技術がこれからの自動車産業にどのように貢献するかをご覧ください。 車体組立工程において電着オーブンの温度を最大25℃下げることができ、それでもフルパフォーマンスを実現できるとしたらどうでしょうか。現在Sikaが開発した画期的な低温焼付接着の技術によって、多くの自動車メーカーがこれを実現しています。より持続可能な生産方法の研究として10年前に始まったこの取り組みが今や世界のメガトレンドの最前線にあります。

Sika Industry - Moving Forward

パラダイムシフトの実現

内燃機関(ICE)から電気自動車(EV)、ハイブリッド車、水素自動車への歴史的な移行は、構造設計に新たな要求を突きつけています。自動車の組立工程では、より軽く、より強く、より静かで、より安全で、より「環境に優しい」性能を確保しながら、金属と形状の複雑な組み合わせに対応できる接着剤が必要となります。

2,500万台以上の車両

Sikaはホワイトボディ(BIW)をはじめとする多くの工程において、これからの自動車産業に付加価値のあるイノベーションを生み出しています。世界で毎年生産される車両の50%以上にSikaの技術が使用されており、車体をより安全でより頑丈にするために2,500万台以上の車両にSikaの接着剤が使用されているという事実がこのことを証明しています。現在、地政学イベントや気候変動により、エネルギー消費の少ない、より持続可能な製造方法の採用が求められています。

低温焼付のメガトレンド

 

自動車の製造において、もっともエネルギー消費量が多く、CO2排出量が最も多い車体組立工程と塗装工程は自然と焦点があたります。この工程においてゲームチャンジャーとなるのが、低温焼付接着剤の使用です。これらの革新的な接着剤は、より低い温度で硬化するよう設計されており、接着工程で必要とされるエネルギーを低減させます。

より低い温度で、これまで通りの高いパフォーマンスを実現

 

Sikaは10年以上前から低温焼付のトレンドを明らかにしました。Sikaの研究開発部門では、従来の接着剤に必要とされた一般的な160℃~200℃と比較して低い温度の135℃~140℃で硬化を可能にする低温焼付、熱反応性材料の研究を行ってきました。現在の「夢の目標」は120 ℃ですが、それより低いもの(「コールドベイク」プロセスのようなもの)では、材料ごと考え直す必要があるとSikaのエンジニアは言います。

 

低温化(最大25℃低く)によるエネルギーの節約

第一に、低温焼付接着剤は自動車メーカーのエネルギー消費の削減や持続可能の実現に貢献します。Sikaのエンジニアが指摘するように、車体組立工程と塗装工程は自動車の全体的な生産工程において、大量のエネルギーを消費するため、電気や熱のわずかな割合の削減でさえ重要です。

目標温度に到達しづらい場所での迅速で信頼性の高い接合

第二に、硬化条件の許容範囲が広くなることで、EVのバッテリー周辺の補強部分や、隠れたサイドポケットのような、標準的な目標温度に達さない、到達しづらい場所でも優れた接合強度を確実にします。あるお客様は次のように述べています。「熱分散が不十分であることは課題であり、温めることによりより多くの時間が必要になります。低温焼付接着は1サイクルあたり10~15分時間を短縮できる可能性があります。」

適切なソリューションを目指した連携

Sikaは低温焼付の製品を開発するために、より持続可能な取り組みに関心を持つ大手OEMや仕入先と協力しました。彼らと協力して、各自動車メーカーの車体組立工程の主要な要件と課題を明らかにしました。これらの課題を解決するには、その中で、硬化温度を低くしつつも、製品は接着強度、遮音、制振、補強、およびその他の重要な特性において優れている必要がありました。そのためにこれには妥協のないアプローチ、製法の適応、および多くの事前テストが求められました。

低温焼付を可能にする幅広い製品群

Sikaの低温焼付技術は車両の多くの部分で重要ですが、4つの領域に焦点を当てています。構造接合部位に関しては実績のある高強度接着剤としてSikaPower ®が、サイドシル(ロッカーパネル)に対してはSikaReinforcer ®が補強のための熱反応性かつ発泡性のエポキシ材料として機能します。また、特定の部位にSikaDamp ®を貼り付けることで制音や振動減衰が可能です。 最後にSikaBaffle®が、車体を効果的にシールし、ノイズの伝達を低減させることによって車内の静粛性が向上するよう設計された製品で、低温焼付タイプを含みます。

戦略的パートナーとしての取り組み

Sikaは自動車業界のお客様の戦略的パートナーとして機能することで、サステナビリティへ取り組みや、コスト削減、工程の簡略化、および炭素削減の取り組みの改善を実現するソリューションを開発しています。Sikaは、サステナブルな車両の設計と製造が未来の自動車生産の主要な要素になると確信しています。

Sikaと共にこれからへ

低温焼付接着剤の採用によるコストの削減と環境面でのメリットは、自動車産業にとって低温焼付接着をwin-winのソリューションにし、これからの自動車産業をより環境に優しい、より効率的な未来へと近づけます。

お客様のこれからのビジネスに、私たちがお手伝いできることはありますか?

Icon Safety Car

Sikaの提案する低温焼付ソリューションには以下のものがございます。

  • コンサルティング:低温焼付製品の選定のサポートとアドバイス
  • レポートと承認:お客様の材料承認プロセスを簡略化するためのテストレポートの提供
  • ネットワーク:各地域のエンジニアリング・技術パートナーとの協力と連携
  • 生産工程における包括的なシステムエンジニアリング:製品設計、導入のサポート、技術指導

 

Sikaの低温焼付製品の現況とメリット

  • 1年間で生産される車両の50%以上にSikaの技術が使用されています
  • 車体をより安全でより高い強度にするために、2,500万台以上の車両にSikaの接着剤が使用されています
  • 一般的には160℃~200℃で硬化するのに対して135℃~140℃で硬化させることができます
  • 低温焼付ソリューションにより電着オーブンの温度を最大25℃下げることができCO2の削減とエネルギーの節約に貢献することができます
  • サイクルタイムの短縮ーコールドスポットまで硬化されるための焼付時間を従来と比較して10~15分短縮可能です